懐かしの場所|京都のノスタルジックな風景と読みたい一冊

古くからの歴史と最新の文化が混ざり合う街、京都。


その京都であなたが懐かしさを感じる場所とはどこだろうか。もしかすると、京都には小さい頃はいなかったために懐かしさを感じられないという人もいるかもしれない。


しかし身近な場所でも気づいていなかった「懐かしさ」もきっと存在するはず。

ここでは京都大学周辺の懐かしの場所を、その場所にオススメの本と共にご案内。



◆川

「川」には人それぞれに様々な印象がある。自然の情景を思い出すこともあれば、遊び場としてや1人で散歩する場としての印象もあるだろう。実際川といってもいろいろなものがあり、育った場所、行ったことのある場所などによって、そういった印象の違いが生じるものだ。  


さて京大周辺の川といえば、なんといっても鴨川である。幼い頃から持つ川の印象に鴨川と重なる部分はないだろうか。そして、 更にそういった重なりから、古い記憶を思い出し、鴨川に懐かしさを感じることはないだろうか。


もちろん、普段の鴨川といえば、川床ができるなど、人が集まる場所でもあり、懐かしさは感じにくいかもしれない。しかし四季を彩る自然や、そこに混在する人工物という変わらないものに、自分の持つ印象が呼び起こされる時があるはずだ。


例えば鴨川デルタは、自然の造形と橋という人工物によって、独特の風景を作っている。その風景を感じ取ったとき、懐かしさという次元で川の印象が結びつくのである。  


もしもまだそういった経験がないならば、一度鴨川でゆっくりと時間を費やしてみてはどうだろう。後に紹介するような本を読んだり、散歩をしたり、時間の使い方はさまざまにあるが、その中で自らの川の印象が呼び起こされるような、しっとりとした時を楽しめるだろう。


・この場所で読みたい一冊 「鴨川ホルモー」 万城目学著



◆踏切 

「線路や踏切」といえば、アニメやドラマなどのメディア作品では定番ともいえる懐かしさの題材だ。田舎に走る一本のみの線路や夕日に照らされる線路、友人や恋人との別れのシーンでの線路など、見る人を不思議と感傷的な気分にさせるのだ。  


京大周辺の踏切といえば、叡山電鉄の線路のものがある。踏切はいくつかあるが、それらにどれほど訪れたことがあるだろうか。訪れたことはあっても、踏切を眺めてじっくりと時間を費やすということはあまりないと思う。


しかし懐かしさを感じるにはそれで十分である。種々の作品で描かれる踏切の懐かしさは、長時間の中で感じるものではない。むしろ一瞬のものである。空気が澄んだ日、学校帰りの夕暮れ、踏切の前にきて立ち止まる。そのとき目の前を行く電車が夕日に赤く照らされる、それを目にする瞬間が懐かしさを感じる瞬間になるだろう。  


また、そのとき少し時間があるならば、その瞬間を写真に収めるということをしても面白いかもしれない。


例として左の写真をあげてみた。夕日が沈みかけ、電車が視界に入ってきて、薄暗くも赤く照らされる辺りの物とその中で鳴る踏切。いかにも懐かしさを感じさせる雰囲気ではないだろうか。


・この場所で読みたい一冊 「小説・秒速5 センチメートル」 新海誠著



◆街

「街」とは、人で賑わう場所である。その賑わいというものは、一見すると懐かしさやノスタルジーといったものとは対照的なものだ。京都大学周辺でも、祇園四条周辺などは京都の中でも最も栄えている場所の一つである。遊びに出掛けることはあっても、そこで感傷的な気分になったり、懐かしさを感じたりすることは少ないと思う。


しかし、たまには時間をとって散策してみるのもいいのではないだろうか。または時間をとるまでではなくても、遊びに出掛けたふとした合間で、いつもとは違う視点で街の様子を見てみるだけでもいい。たとえ数十年前の様子を知らなくても、歴史のある商店、ひとつ前の時代の雰囲気を残す路地裏などが見つかるはずだ。


例えば左の写真一つ見ても、懐かしさを感じられる点はいくつかある。古風な商店。錆び付いた電柱。ぼんやりともる街灯。どれも普段目にしているはずのものだが、気に掛けることは少ないものだ。


たくさんの要素が詰まった街ならば、他にも様々な懐かしさを発見できるはずだ。


・この場所で読みたい一冊 「古都」 川端康成著



◆公園

「公園」もまた懐かしの場所として描写されることは多い。加えて公園は幼いころの遊び場として、またその思い出が残る場所としても代表的だ。そういった懐かしの場所として描かれるような、ある程度の面積で、ブランコや鉄棒などの遊具が置いてあるような公園は意外に見ることが少ないかもしれない。


京大周辺のものを紹介するならば、左の写真のように飛鳥井児童公園という公園がある。休日の暇な時間、外で気ままに時を過ごしたい時間などは気軽に訪れてみるのもいいかもしれない。そんな時は、子供の気持ちに戻ってブランコに揺られてみたり、少し古い本を読んでみたりすれば、しんみりと思い出や懐かしさを感じられることと思う。


他にも雨の日の公園なども一風変わった趣があり、それも懐かしみを感じられるかもしれない。また京都ならば、京都御苑なども公園とは少し異なるが、ゆっくりと時間が流れる場所である。そこに子供のころの思い入れなどがあれば、これもまた懐かしみの場所としてよいかもしれない。京都独特な懐かしの感じ方といえる。


・この場所で読みたい一冊 「エンジェルお悩み相談所」 水上悟志著

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